
大会長挨拶
日本物理療法合同学術大会2026
大会長 福井直樹
和歌山リハビリテーション専門職大学

この度、「日本物理療法合同学術大会2026」を一般社団法人日本物理療法学会と一般社団法人日本理学療法学会連合日本物理療法研究会の主催により、和歌山リハビリテーション専門職大学にて開催できることを大変光栄に思います。本大会では、「理学療法を扱う人に求められるテクノロジー対応能力」をテーマに掲げ、我々医療従事者がテクノロジー対応能力を高め、物理療法と最新技術を融合させることで時代のニーズに対応していけるよう議論と学びの機会を提供したいと考えています。
近年、医療技術に対する費用対効果評価の制度が本格的に導入されつつあります。これまでの医療評価においては、臨床的有用性や安全性が最も重視されていましたが、医療費の増加や限られたリソースの中で最大の効果を上げるために、費用対効果の視点が新たに加わることとなりました。この医療評価技術評価と物理療法の関係性を考えると、物理療法もその例外ではありません。物理療法は科学的な評価を通じて、その有効性・安全性・費用対効果が検証され、これに基づいて最適な治療法が選択されます。これにより、患者に対して最適な治療を提供することが可能となり、結果として治療の質と効率が向上します。さらに、物理療法の治療法が導入された後も、継続的な評価と改善が求められます。これにより、治療の効果が最大限に引き出されるだけでなく、医療資源の無駄を減らし、患者の満足度を高めることができます。
こうした背景の中で、今回の学術大会では「物理療法を扱う人に求められるテクノロジー対応能力」をテーマに掲げました。現在、我々が目の当たりにしているテクノロジーの進化は、第4次産業革命と呼ばれるほどの大変革をもたらしています。人工知能(AI)、ロボティクス、ビッグデータ、3Dプリンティング、バイオテクノロジー、インターネット・オブ・シングス(IoT)、仮想現実(VR)など、さまざまな先端技術が、従来の産業や医療の枠組みを大きく変えつつあります。このような技術の進化に対応することは、物理療法の分野においても不可欠であり、最新機器の使用方法やデータ収集・分析について深く理解し、これらを効果的に活用することが求められます。
「日本物理療法合同学術大会2026」では特別講演や教育講演、シンポジウム、ハンズオンセミナー、演題報告を通じて物理療法に関する最新の研究成果や実践的な知識を共有することで、参加者の皆様がより良いリハビリテーションを提供できる支援をしてまいります。進化する医療技術に対応し、物理療法の未来を拓く2日間。和歌山県で皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。